研究課題
科研費

思春期の危機における若者を支える社会関係資本と居場所・地域空間に関する研究

研究代表者

木下 勇

社会情報学部環境情報学専攻 教授

研究種目
基盤研究(C)
研究期間
(年度)
2024年(令和6年)2026年(令和8年)
木下勇

 

 いじめ、自殺、自己肯定感や希望、参画意識の欠如といった思春期の課題は深刻化している。アイデンティティ危機に直面する若者の受け皿が地域にないという都市計画上の不備に着目し取り組んだ研究は未だない。
 思春期のアイデンティティ危機(以降、思春期の危機という)は主体性の確立の契機でもあり、それを支える社会関係資本がそなわった居場所等の地域空間を探ることを目的とする。
 そのために国内外において居場所となる空間とその社会関係資本の実態と変遷、また新たな地域参画の行事や活動の調査を通じて、3つの指標軸(空間的居場所、地域参画機会、社会関係資本)で分析し、思春期の危機を受け止め、主体形成への転換へと支援する社会関係資本がそなわる居場所、地域空間の要因を探る(図1、2)。

 

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図1 研究の流れ
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図2 分析軸の設定

 

 

 これまでのプレ調査(2023年度戦略的個人研究費)にて全国20代1000名へのオンライン調査では半数強が反抗期が無かったと回答し、反抗期有の方が外遊びや地域行事参画、地域の大人との関わり、情報リテラシーとのポジティブな相関が見られている(図3―5)。
 「反抗期」をネガティブにとらえるのではなく、思春期の主体性形成に重要な契機として、その成長を支える環境の要因を今後明確にしていきたい。

 

 

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図5 反抗期有無と情報リテラシー

 

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