研究課題
科研費

環境と調和した国産コーヒーの栽培環境と栽培手法の探究

研究代表者

甲野 毅

家政学部ライフデザイン学科 教授

研究種目
基盤研究(C)
研究期間
(年度)
2024年(令和6年)2028年(令和10年)
甲野毅

 

 コーヒーは環境への負荷が高い農産物として知られているが、栽培方法によっては森林との共生が可能であり、熱帯ではアグロフォレストリーの構成種の一つとなっている。そして沖縄県では、周辺環境と調和して栽培されることが多い。世界的な需要増による供給不足と昨今の国際情勢から農産物の自給率アップに寄与するために、また農業による地域経済の発展や耕作放棄地の増加などの地域環境問題の解決のためにも、その増産が望まれる。本研究は、国内コーヒーの生産地の中で、沖縄県における環境と調和したコーヒーを栽培する農園に焦点を当て、コーヒー結実のための栽培環境、コーヒー栽培手法などを明らかにすることを目的とする。
 具体的な調査内容は、第1に沖縄県の環境と調和したコーヒーの栽培環境と果実の結実状況を調査し、結実に適した栽培環境を探求することである。第2に沖縄県の森林下と土地改良区の耕作放棄地において、コーヒーの苗木を栽培することを通し、樹勢・樹形などの活力度と果実の結実が良好な樹の栽培環境と台風などの強風にも耐える栽培手法を探求することである。第3に苗木の育成手法やカットバック手法などの、現在沖縄県において統一されていない栽培手法を探求することである。第4にコーヒーツーリズムなどのコーヒー栽培の波及的な効用を探求することである。そして最終的に、環境と調和したコーヒーの栽培環境と栽培手法を、農家に提示することも目的とする。
 現在、地域の農園の方々の協力の下、農地の一部を借り受け、亜熱帯の環境下で一からコーヒーの栽培に携わっている。栽培し始めて3年目に、自分が植栽したコーヒーが結実した際に、大きな喜びを得ることが出来た。一方で昨年の大型台風により、植栽した数十本の樹が被害を受け、研究が振り出しに戻ってしまい、農業の厳しさを再認識した。それでも地域住民の協力を得ながら研究を進めることが出来ており、地域の方々の協力に改めて御礼申し上げたく思います。

 

甲野先生関連写真

環境と調和したコーヒー農園

 

 

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