大妻学院 創立110周年 人間生活文化研究所 記念事業
大妻女子大学博物館―特別展
東南アジア狩猟採集民の生活と子どもの発育発達
~文明は人の身体から何をうばうのか~
展覧会概要見どころ関連企画開催案内アクセスチラシ(PDF)入場無料・予約不要 |
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展覧会概要
私たちは地球上のどこにでも出かけて行き、いつでもどことでも通話できる文明の恩恵を享受しています。しかしこの地球上には、文明社会の片隅で時間が停止したように、1万年前とほとんど変わらない生活を続けている狩猟採集民も存在しています。それは、私たちの祖先の旧石器時代とも重なるライフスタイルです。
彼らは、今でも農耕や牧畜を行わず、法律や教育、医療・公衆衛生、通信などシステムを知らず、文明の恩恵に浴さないまま、歴史の外側でひっそりと生き続けてきました。深い森や山奥、あるいは洋上に点在する小島など人目につかない環境に身をおき、危険を感じたら迅速に姿を隠すことで生き長らえてきたのです。
本展では、このような現存する狩猟採集民のなかから、東南アジアに焦点をあて彼らの ライフスタイルを、現地調査と資料収集の成果をもって紹介します。
また、このような環境で暮らす子どもたちは、現代日本人とは身体の発育や技術習得の過程が異なることが判明しました。そこで、こともの発育発達にも着目した展示を行います。
この展示は、科研費を受けての12年間の研究成果の社会還元の一環とするもので、また大妻学院の創立110周年にあたっての、人間生活文化研究所の記念事業として企画されたものです。
後援 駐日ミャンマー連邦共和国大使館
見どころ
今回の展覧会で紹介するのは、ミャンマー連邦共和国のアンダマン海の洋上で生涯を過ごすサロン人(モーケン人)と、タイ王国ナーン県の山地を遊動してきたムラブリ人(ピートンルアン=黄色い葉の妖精)です。
サロン人については、ミャンマー国内の調査が不可能であったために、今日まで科学的なデータの蓄積はありませんでした。私たち以外に調査隊は入っておらず、今回の展示が世界で初めての資料展示になります。
一方のムラブリ人は、近年定住化が進んでいます。ここでは、移動民が定住化の過程で、環境にどのように適応してゆくのかという、学術的に非常に重要な問いの解明に期待が寄せられています。

ムラブリ人バナナの家の再現模型
更に、狩猟採集から定住の段階に進んだ山地民として、ミャンマー最奥部のカヤー州に住むカヤン人についても紹介します。カヤン人は、一般には首長族として知られる、首輪や足輪を装着する人体変工を生涯にわたって行なう、大変珍しい文化をもつ民族です。
本展では、視力6とも言われ、数分間の潜水で海底を歩き4m近い銛を自在に操る彼らの、驚くべき身体能力を物語る様々な実物資料を展示するとともに、ムラブリ人の現地俗称「ピートンルアン=黄色い葉の妖精」の元となったバナナの家の実物大再現展示を行います。
関連企画
講演1 日本発育発達学会第17回会長講演
アジアの山地民、狩猟採集民のこどもはどのように育つのか
-発育発達科学研究の45年-
演者 大澤清二
日時 3月9日(土)10時~11時45分
場所 大妻女子大学A棟150室(東京都千代田区三番町12)
会費 無料
問合せ先 03-5275-6047
講演2 大妻女子大学図書館ラーニングコモンズイベント
将来の日本人の身体はどうなるのか
-狩猟採集民、山地民の生活から日本人の未来を予想する-
演者 大澤清二
日時 4月20日(土)13時~15時
場所 大妻女子大学図書館(東京都千代田区三番町7-8)
問合せ先 03-5275-6047
開催案内
会期:2019年3月4日(月)~8月4日(日)
※8月4日まで会期延長しました
日曜日・水曜日休館
(ただし、6月9日、7月14日、8月4日は開館)
開館時間:10時~16時30分
入館料:無料
会場:大妻女子大学博物館
東京都千代田区三番町7-8
大妻女子大学図書館棟地下1階(九段小学校前)
03-5275-5739
アクセス:JR総武線「市ヶ谷駅・地上改札口」より徒歩10分
東京メトロ有楽町線・南北線、都営地下鉄新宿線
「市ヶ谷駅・A3出口」より徒歩10分
東京メトロ半蔵門線「半蔵門駅・5番出口」より徒歩7分
東京メトロ東西線「九段下駅・2番出口」より徒歩12分