研究課題
科研費

小・中学校を連携した理科教員の養成を目指した基礎研究

研究代表者

笹川 康子

家政学部児童学科 常勤特任教授

研究種目
基盤研究(C)
研究期間
(年度)
2025年(令和7年)2028年(令和10年)
笹川康子他

 


 理系人材の育成が強く求められており、小学校段階からの理科教育の充実とそれを担う教員養成が喫緊の課題となっています。こうした背景のもと、家政学部児童学科の児童教育専攻では理科に自信が持てる教員を育成すべく、児童学科でありながら中学校理科の教員免許が取得できるようにするとともに、小学校教員免許の取得のみを考えている学生にも理科の関連科目を卒業必修科目としました。すべての学生が物理、化学、生物、地学の基礎科目や基礎実験科目を学修するとともに、教師の側と子どもの側の両面で小学校と中学校における理科の学びのつながりを考えて授業を構想できることを目指したカリキュラムです。こうした学びを深める中で、学生が自然事象により強い関心をもつようになることを期待しています。
 しかし、本専攻には、理科を得意とする学生ばかりが入学しているわけではありません。学生の実態を踏まえれば、実験・観察科目を強調した本専攻の科目群が学生の学びや理科に対する意識にどのように影響を与えるのか、その有効性を検討することが求められます。本研究はこの課題に取り組むものです。
 これまで小学校教員の理科離れ問題に対応してきたのは国や自治体でした。小学校教員免許の取得にあたって実験・観察は必ずしも学修しなくてよいためです。教員養成カリキュラムを検討・開発・検証する研究は十分に取り組まれていません。一方、本研究は、理科を中心として教員養成カリキュラムを再考し、その影響を明らかにすることを通して、一つのモデルを提示することを目指します。それは、自信をもって理科授業を行う小学校教員の養成だけでなく、小学校理科との学びの接続を意識して授業づくりのできる中学校理科教員の養成にもつながるものです。本研究は社会的要請に応え、我が国の将来に貢献するものであり、児童教育専攻の全教員が一丸となって取り組もうとしているものなのです。


写真
研究代表者:笹川 康子(前列中央)
研究分担者:木村 かおる、金 美京、仁井田 孝春、林 明子、大谷 洋貴、石井 雅幸

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