研究課題
科研費

世代を跨るコミュニケーションを促進する情報ゲートウェイ

研究代表者

田中 清

社会情報学部情報デザイン専攻 教授

研究種目
基盤研究(C)
研究期間
(年度)
2025年(令和7年)2027年(令和9年)
田中清

 


 遠隔コミュニケーションにおける世代間のツール利用格差は顕著である。新しい魅力的なコミュニケーションツールが若者を中心に受け入れられると、以前のツールからコミュニケーションの場が置き換わり、メッセージ表現も変わる。電話をはじめとする旧来のツールしか利用できない高齢者を中心としたユーザ層も存在するが、新しいツールを使えないことによって、若者からそうした高齢者の家族や親族へのコミュニケーションの機会が減少する。その結果、コミュニケーションの外に置かれ、取り残されてしまうこともある。
 そこで本研究課題では、様々な利用ツール間のメッセージを相互流通することで世代間のコミュニケーションを促進する仕組みについて検討する。具体的にはメッセージ伝達の過程に新たに構築する情報ゲートウェイ[1][2](図 1)を配置し、(A)ツールごとに異なるメディアを用いたメッセージを変換して、(B)受け手に適切に伝わるメッセージ表現に再構成する。受け手には状況によって適切なメッセージの受け取り方があることを考慮して、メッセージを表現するメディアや利用デバイスを適応的に利用する。

 

情報ゲートウェイ

図 1 情報ゲートウェイ


 本研究課題は、令和5年度(2023年度)大妻女子大学戦略的個人研究費の助成を受けた研究課題「コミュニケーションメディアをつなぐ情報ゲートウェイに関する研究」(課題番号N2310)において実現性を検討した研究内容を発展させたものである。情報ゲートウェイによる受け手主体の情報コミュニケーションを実現する上で、世代ごとに利用されるツールの違いやメッセージの表現方法の違いに着目し、情報ゲートウェイを用いてこれらの違いを吸収することにより、世代を跨るコミュニケーションの活性化を導くことを目指している。
(参考文献)
[1] 田中清, “マルチメディア情報ゲートウェイ”, 人間生活文化研究, No.35, pp.22-25, 2025.
[2] Kiyoshi Tanaka, “Multimedia Information Gateway Service”. The 8th IIEEJ International Conference on Image Electronics and Visual Computing (IEVC2024), 2024, LBP-02, Tainan, Taiwan.

 

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