研究課題
共同研究プロジェクト

大妻女子大学におけるインプット理論に基づく全学英語eラーニングを活用した教育

研究代表者

服部 孝彦

英語教育研究所 所長

研究年度
2020年(令和2年)

課題番号 :K2002

 

e-learningサイトより

 学生たちがグローバル社会を生き抜いていくうえで必要な英語力を大学在学中に身につけることができるようにするために、本学英語教育研究所は2018年7月から全学の学生が自由に利用できる英語 e-learning システムを導入した。大学の授業における英語指導だけでは学生の英語力を伸ばすことは困難である。第二言語習得に必要な英語インプットの質を保ちながら量を増やすためには、授業外の e-learning を利用する方法が考えられる。英語 e-learning の最大の強みは大量のインプットが可能であることである。しかし、多くの学習者に e-learning を有効に活用してもらうためには、どれだけのインプットが必要か、どのようなインプットを与えるのがよいか、すなわちインプットの量と質をインプット理論に基づき考察する必要がある。

 英語 e-learning 教育の特徴はリーディングとリスニングによる大量のインプットが可能であるということである。リーディングとリスニングとでは情報収集する際の入り口器官は異なるが、情報をインプットする手段としては共通部分がとても大きい。リーディングもリスニングも内容を理解するためには、音声、語彙、文法といった言語知識を使うボトムアップ処理 (bottom-up processing) と、背景知識や状況知識などを使うトップダウン処理 (top-down processing) の2つの処理が関係する。英語 e-learning 学習では多くの英語のインプットに接することにより、言語知識のみに頼るボトムアップ処理だけでなくトップダウン処理も同時に鍛えることが可能である。ボトムアップ処理とトップダウン処理の二つを柔軟に使いこなせることになれば、リーディング力もリスニング力も飛躍的に伸ばすことができる。

 本研究では第二言語習得でのインプットについて、さらに第二言語の習得過程モデルにおけるインプットとインテイクの果たす役割について理論的に考察した。そのうえで、インプット理論に基づく本学における効果的な英語 e-learning 教育の在り方について実践研究をすすめた。そしてその研究成果は、国内および海外の学会の研究大会で研究発表を行う予定である。