巻頭言
巻頭言

人間生活文化研究所をお手本に共生社会文化研究所も後に続きます!

 人間生活文化研究所にはこれまで、個人的にも数えきれないほどのご支援をいただいた。具体的にはこれまで何件にも及ぶ戦略的個人研究費、共同研究プロジェクトによる研究支援、そしてそれを元に申請した数本に及ぶ科研費の採択である。これらは単に研究資金援助にとどまらず、研究そのものの推進力の素となり、研究者としてのアイデンティティや姿勢、そして研究人生そのものについて突き詰めて考える機会をいただいた。また大学院生たちは研究助成金制度のおかげで、研究や研究費に対する意識も年々向上している。
 さて、私共の人間関係学部でも2019年4月から、学部附置研究所として共生社会文化研究所を設立させていただいた。この研究所は人間関係学部の教育研究の目的である「共生社会の実現」をテーマにして、人間関係学部の基礎となる社会学、心理学、社会福祉学の3つの学問領域を中心に、他の学問領域・実践領域との連携と協働を積極的に行いながら研究を進めるための施設である。このような研究と実践を進めるために「研究部門」と「研修・産学官連携部門」の2つの部門を擁している。研究部門では人間関係学部の専任教員である「研究員」が科学研究費、学内の戦略的個人研究費、共同研究プロジェクト、そしてさらに研究所独自の「研究員提案事業」として審査を経たのちに支給される助成金等を活用して「共生社会の実現」に関わる研究テーマに取り組み、その成果を社会に発信し始めている。また、共生社会に関連する領域で活躍する実践者、若手研究者等を「特別研究員」として受け入れ、学術領域、実践領域に潜在する先駆的テーマを共有するとともに、研究員との共同研究等を通して研究機会の提供と、研究環境、研究方法の支援を行い、次世代を担う研究者の育成を図っている。
 まだまだ、規模も質も人間生活文化研究所に遠く及ばないが、人間生活文化研究所をお手本として、これまでの恩返しの意味も込めて後に続きたいと思っている。

人間関係学部長

福島 哲夫

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