研究課題
科研費

オンライン実験で活用できる教育用IoT機器の作製とその波及効果について

研究代表者

髙橋 三男

家政学部 教授

研究種目
基盤研究(C)
研究期間
(年度)
2021年(令和3年)2023年(令和5年)

 

 

 

 新型コロナウイルス禍の影響が教育現場を襲い、休校が続く中、様々な取り組みがなされており、学校と家庭の間でオンライン型の授業が行われています。ところが、≪実験指導≫を行う際、インターネット上には、理科実験の動画があふれてていて、これを見れば十分ではないかというぐらい、上手くできている動画がたくさんあります。しかし、ただ漠然とみているだけでは、生徒たちが自ら身体を動かし自然現象を理解するという主体性を鍛えることはできません。実際、スルメを見てイカがわかったつもりになり、イカのヌメリや匂いが伝わってきません。オンライン授業も同じで、どうしても視覚と聴覚が主で、触覚や嗅覚や味覚などは直接伝わらないのが現状です。最近、テレビで美味しそうな料理番組が放映される機会が多いように思いますが、料理番組を見ただけでは、料理を上手く作ることはできません。しかし、体積を計る計量カップや大中小のスプーン、様々なザルなど、まるで化学実験を見ているようです。家庭内を見回すとIHクッキングヒターや電子レンジ、冷凍冷蔵庫、クッキングスケール、電動ミルなど、昔と比べて家庭環境が変わってきています。実験指導においても実体験が一番重要なポイントであり、理科教育の根幹を成すものです。

 本研究は、安価で小型コンピュータに温度・湿度・気圧・酸素・二酸化炭素・光の6種のセンサを搭載した、教育用IoT機器を作製します。大きさは手の平サイズでカラー表示のデバイスとバッテリー、Wi-FiやBluetoothが内蔵されており、遠隔操作計測した実験データをPCでグラフ処理したり、実験条件をPCでコントロールするために、プログラミングを作成したりすることで、家庭内でも定量的な実験ができるように支援することが目的です。この教育用IoT機器を通して様々な体験をすることで、基礎技能を習得し、問題解決を図る思考力、判断力、表現力が身に付き、主体的に学習に取り組む態度を育成することが期待できると考えています。

 例えば、病気で学校に行けない生徒や学生たちに対してもこの教育用IoT機器は、大いに活躍することが想定されます。その波及効果によって、独自性と創造性が育まれると考えています。学校だけでなく、社会にも貢献するためには、主体的に問題解決しようとする態度を養うということが要求されます。本研究は、教育現場で実験指導に試行錯誤を重ねてきた先生方の大きな支援になるとものと確信しています。

 

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