研究課題
科研費

小学校教員のための「教科としての英語」指導研修プログラム開発

研究代表者

服部 孝彦

英語教育研究所 所長、社会情報学部 教授

研究種目
基盤研究(C)
研究期間
(年度)
2021年(令和3年)2023年(令和5年)

 

 

 

 2020年度から実施されている新学習指導要領では小学校5・6年生に「教科としての英語」指導が求められ、児童に英語の4技能の力を身につけさせる必要がある。多くの小学校教員は英語力不足・指導力不足に直面していると同時に、早期英語教育指導者に必要な第二言語習得に関する知識も不足している。
 本研究の目的は、小学校教員が効果的に「教科としての英語」の指導を、第二言語習得理論に基づき実施できるための、継続的に実施可能な研修プログラムの開発をすることである。研修では「教科としての英語」を担当する小学校教員が抱える授業実施にかかわる「不安要因」を特定し、「不安要因」を解消しながら英語の授業を実施するための英語力と指導力を身につけることが大切だ。しかし、研修はそれだけでは不十分である。
 小学校教員の英語研修に関して、私は神奈川県立の高等教育機関である国際言語文化アカデミアをはじめ各地区の教育委員会の協力を得て、小学校教員を対象とした英語力と指導力を育成する研修プログラムの開発を行い、その研修プログラムの検証、改善も行ってきた。しかしその研修は、日々の授業に直結した指導法といった授業実践に特化されたものであった。

 これからは小学校教員が早期英語教育を効果的に行うために必要な第二言語習得に関する基本的な専門知識を身につけていることが求められる。小学校に英語教育が導入された理論的根拠となっているのが臨界期仮説である。第二言語環境とは異なる日本のような外国語環境での、教育実践者にとって必要な臨界期に関する知識を整理する必要がある。また第二言語習得では学習者要因が重要な役割を果たしている。外国語環境で学習する日本では、内的要因がとても重要である。本研究では、第二言語習得理論の視点を踏まえた小学校教員に必要とされる知識を取り扱う英語教育学の本質を捉えた研修プログラムの開発を行う。

 

英語研修会の様子

 

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