研究課題
科研費

アパレルを対象としたD2Cショッパーの情報探索と購買行動の研究

研究代表者

吉井 健

家政学部 教授

研究種目
若手研究
研究期間
(年度)
2022年(令和4年)2024年(令和6年)

 

 近年のデジタル環境に加え、コロナ禍も契機となり、インターネットを利用したアパレルの購買が促進されている。これにより、リアル店舗を持たないメーカーがネット店舗経由で直接消費者に販売するビジネス、すなわちD2C(Direct to Consumer)事業が活況を呈している。デジタル環境での消費者行動研究は進んでいるが、D2Cのネット店舗にてアパレルを購買する消費者(以下、D2Cショッパー)の行動と効果的なマーケティングを論じる研究は進んでいない。特に購買に際する不安や疑問等の知覚リスクの低減と購買行動との関係性の解明は課題になる。そこで、本研究では、D2Cショッパーの知覚リスク低減に影響を及ぼす情報内容やその購買行動を体系的に整理・解明すると共にD2Cに取り組む企業、特に国内の縫製メーカーに向けたマーケティング施策の提案をすることを目的とし、以下のテーマにて実証研究を行う。

 

(1)D2Cショッパーの行動プロセスと購買行動傾向の研究

(2)D2Cショッパーの知覚リスク低減効果を高める情報内容の研究

(3)D2Cショッパーに影響を与える、リアル店舗(ショールーム等)との連携施策の研究

 

 上記の研究テーマに基づき、複数のネット店舗を研究対象とした実証分析を行うと共に関連のSNSを活用したプロモーション効果の分析を行う。そして、ネット店舗と連携したリアル店舗での調査も行う。さらには、調査会社を経由したインターネットでのアンケート調査も行い、対象消費者の情報探索と購買行動、知覚リスク低減行動等について解明する。このインターネット調査では、主としてデジタル環境での消費者(D2Cショッパー、ショールーマー、そしてリバース・ショールーマー)を研究対象とする。本研究は、D2Cショッパーの購買行動を体系的に実証研究すると共に、リアル店舗とネット店舗を往来するショールーマーやリバース・ショールーマーとの比較考察も行うことで、デジタル環境における新たな購買理論を構築するための基盤を提供出来る点において独自性がある。そして、今後の消費者行動研究、マーケティング研究、生活科学研究面に対しても波及的な貢献が期待される点、さらにはD2Cショッパーの行動を踏まえたマーケティング施策のアパレルメーカーへの提案を通じ、その実務面にも貢献出来る点において創造性がある。

researchmap

CONTENTS