研究課題
科研費

⺠⽣委員の活動意欲向上および負担感緩衝に向けたネットワーク構築プログラムの検討

研究代表者

⾶⽥ 和樹

人間関係学部 人間福祉学科 専任講師

研究種目
基盤研究(C)
研究期間
(年度)
2023年(令和5年)2025年(令和7年)
飛田和樹

 

民生委員・児童委員(以下、民生委員)は、その起源となる制度創設から100年を超える行政委嘱型ボランティアです。一人暮らし高齢者への戸別訪問などの個別援助活動に勤しみながら、地域における見守り活動の普及やふれあいサロンなどの地域福祉活動にも取り組んでいます。その活動範囲は、高齢者や障害者、子育て世帯、生活困窮世帯に留まらず、地域生活課題の多様化・複合化に伴ってあらゆる地域住民が対象になっています。地域共生社会の実現に向けて、各地域におけるネットワークのハブとなる重要な役割のひとつといえるでしょう。
同時に、民生委員にはいくつかの課題があると言われています。期待される役割と責任の重さ、活動における量的・質的な過重負担、つながりの希薄化や個人情報保護問題による活動の困難さ、欠員等の人材問題等です。しかしながら、それらの課題解消に向けた先行研究の蓄積は必ずしも十分とは言えません。
本研究では、地域福祉の重要な担い手である民生委員について、その活動状況や保有する社会的ネットワークがどのように活動意欲や負担感に関連しているか、また、民生委員活動においてどのようにネットワークが形成されていくのかを明らかにします。また、民生委員のネットワーク拡充のための具体的な支援策を検討し、民生委員や関係する専門職を対象に実施、その支援策の効果を評価します。本研究により、民生委員活動における意欲向上・負担感緩衝に効果的な民生委員の社会的ネットワークの様態と、その形成・拡充に向けたプログラムの効果を示すことができると考えます。
民生委員が保有する社会的ネットワークや活動における意識等を明らかにすることは、民生委員が置かれている課題解消に向けた一助になることはもとより、一般のボランティア活動振興にも援用できる知見を得ることにつながると考えています。

 

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