研究課題
科研費

「お家で観察」を「皆⼀緒に」で充実させる!オンライン星空観察会を伴う天体学習新案

研究代表者

木村 かおる

家政学部 常勤特任准教授

研究種目
基盤研究(C)
研究期間
(年度)
2023年(令和5年)2025年(令和7年)
木村かおる

 

 小学校の理科学習において、星の学習は扱いにくく、かつ指導しにくい単元であることが報告されています。その解決方法として、本チームでは、これまでに児童が自宅でおこなう星空の観察記録の精度を高める指導法を開発してきました。
 これまで開発した指導法は、海外に設置した星座カメラi-CANを用い、全員が授業中に星空をリアルタイムで観察します。児童は日中に自宅で観察する星の集まりを確認した後、夜になってから、一人で、星を観察・記録し、翌日学校に記録を持ち寄り、星の動きをまとめる指導法でした。その結果、あらかじめ全員で星の集まりを確認しておくことでしっかり星の集まりのイメージが持て、自宅で観察した記録もかなり精度があがりました。そのような中、コロナ禍において初等中等教育の現場では、急速に子ども一人に一台端末の整備が進みました。
 本研究は、児童がタブレット端末を持ち帰り家庭で学習することができるようになったことから、自宅での観察が求められる「星の動き(4年)」の単元を、夜間でも全員が参加できる星空観察の方法を構築します。まずは、これまで固定式だった星座カメラi-CANを、ただ置くだけで星空配信ができるようにポータブル化し、多くの学校に貸し出しできるように改良します。実践においては、星の学習単元で、児童は「自分たちの学校にある星座カメラi-CAN」の星空を自宅で「共有」し、自宅での星空観察を行います。これまで星空観察時に子どもが感じていた「孤独感」に対し、なかまと一緒に観察する「協働的」な時間と空間を提供し、ネットワークでつながった学習方法を提案します。さらに、新i-CAN設置校と協力の得られた学校の交流を図り、天候に左右される星空観察について新しい学習方法を提案します。これまでの星の単元において指導に困難を感じていた教員の負担を軽減するためにも、ICTを十分に活用し、仮想と実観察を行き来するような指導法の開発を目指します。この新i-CANの名称は「Ai-CAM」としました。

 

写真:星座カメラi-CANで配信される星空(のぼるオリオン座)

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